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弱者のための悩み解決のステップ
「悩み」と一口に言っても、将来の悩み、お金の悩み、人間関係の悩み、学校の悩み、仕事の悩み、能力の悩み、夕食の悩み、恋愛の悩みなど人それぞれ無数の悩みがあります。
僕もまだまだ未熟者なので、こういった様々な悩みの抱えています。
そしてそれらの多くについて、解決の糸口は見えません。
ただ、世界中を旅するなかで見たもの、聞いたこと、出会った人、得た経験などをもとに、ひとつの仮説を信じるようになりました。
それは、「悩みは自分でわざわざ探して作っているものだ」ということです。
これが人間関係や怪我・病気など逃れようのない悩みとなると、なかなか断言できないことではあります。
しかし、それでも多くの悩みとより健康的に向き合うために下に紹介するステップは、僕にとって大きな助けになってきました。なにを隠そう、僕も立派な弱者ですから。
とはいえ、人間だれしも、心のどこかに弱い部分を持っているはずで、それがつつかれてしまったときは、らしくないくらい悩んだりしてしまうもの。
悩んでいることがある方の、助けになれば嬉しいです。
僕が実践している弱者のための悩み解決のステップ
- 「悩み」のレベルがどこにあるか知る
- 「時間」と「自分が持っているもの」を意識する
- 落ち着いて、「現在」に集中する
- 再び冷静に「悩み」と向き合う
- 再び視野が狭くなり始めたら①に戻る
- 出来るだけ辛い時間が少なくなるように①~④を繰り返す
- 解決に到達したら、次の悩みを見つける
①「悩み」のレベルがどこにあるか知る
「悩み」にはレベルがあります。
というと、冷たく共感能力がないように聞こえますが、レベルの高い悩みとレベルの低い悩みがあるなんてことが言いたいわけではありません。
むしろ、どのような悩みであれ、悩み人本人にとってはいつも大問題であり、それがゆえに本当の本当に苦しんでいるというのは絶対的な事実だと思っています。
ここでいう「悩み」のレベルについて考えるには、まず”マズローの欲求のピラミッド”なんかを見てもらえるとよいかもしれません。
こんなのです。
自己実現欲求:自分が好きな自分になりたい気持ち
承認欲求:他人が好きな自分になりたい気持ち
社会的欲求:みんなの仲間に入りたい気持ち
安全欲求:健康でいたり、安心できる環境にいたい気持ち
生理的欲求:生きたい、寝たいなどの気持ち
ちょっと図と説明が雑めで申し訳ないですが。
このような欲求の段階があるということを踏まえて、悩みについて考えてみます。
銃を突き付けられながら、今夜食べるものがないという貧困に嘆く人はいるでしょうか。
かつてない空腹を満たす飯にありついた後であれば、屋外でも「今日はいい日だった」と赤子のように眠ることができるというのは、不自然な想像でしょうか。
余命一か月の人が、人間関係や仕事のストレスに悩むでしょうか。
恋人ができなくて悩んでいる人は、恋人との関係が良くないことを悩めるでしょうか。
このように、
どの「悩み」が上で、どれが下というつもりは一切ありませんが、「悩み」には順番があります。
そして人間は、
悩むことがないときにも悩むことを探し始めます。
生きていられる人は生活水準のことで悩む。
ある程度の生活があれば 進路や人間関係で悩む。
職と人に恵まれれば恋愛で悩む。
良きパトーナーを持てば能力や意義に上を求めて悩む。
実力や地位を得れば自分の存在について悩む。
存在価値を見出せば しまいには人間や世界それ自体を憂いはじめる始末。
だからこそ、これまでの歴史でも思想や哲学なんてのが発展したのは文明が良く栄えた恵まれた時代だったんだろうと思います。
このような「悩み」という感情が持つ普遍的な性質を踏まえたうえで
まずは自分の「悩み」がどのレベルに属しているのかを確認します。
②「時間」と「自分が持っているもの」を意識する
「悩み」が意識している「時間」
「悩み」のレベルを把握したら次に注目するのは「時間」です。
マズローのピラミッドで言うと、下部の欲求ほど時間的切迫があります。
そして上部ほど時間的余裕があります。
「悩み」という言葉の定義を超えているようにも感じますが、例えば
命がかかっている(生理的欲求が不満状態にある)とき、概して問題は急務です。
一方自己実現がなかなか叶わないという悩みは、命の問題と比べれば、たとえ全く永遠に解決しなくも大きな問題にはならないず、「残念だった」で済むことです。(異なる欲求や悩みを比べること自体がナンセンスではありますが。)
こうしたことを踏まえて、自分の悩みについて考えたとき、その悩みにはどれくらいの時間的切迫や余裕があるのか確認します。
悩んでいる今、「自分が持っているもの」は
ステップ①で確認した自分の「悩み」のレベルがわかれば、おのずと自分は何については満たされているのかわかります。
例えば僕が、「自分には能力がない」ということに悩んでいるとします。
それが「周りに認められるだけの能力」なのか「自分で納得のいく能力」なのかによってこの悩みのレベルは異なりますが、ピラミッド上部の悩みであることは間違いありません。
この「悩み」のレベルからして、僕には今生命の危機が迫っているわけではないし、今日や明日の衣食住が確保されていないわけでもないでしょう。
そしておそらく僕は適切な社会の構成員として自他ともに認められている存在である可能性が高いです。会社員やクラブのメンバーではなくとも、家族や友人がいたり、何か仕事やするべきことがあったりすると思います。
この状況が僕の「自分が持っているもの」です。
そしてそれらは持っていて当たり前のものではありません。
世の中には僕が既に持っているものが欲しくてたまらなく、血のにじむような努力をしても、それが叶わぬ人がたくさんいます。
ですから、僕が今「能力がない」ことで悩んでいること自体が、「僕が今持っているもの分だけ、僕は幸せである」という証明ということです。
だからといってこの手の「悩み」は贅沢だとか、大したことではないと言いたいわけではありません。「悩み」はどこまでも主観的なものであって、そこに客観性を求めるのは不適切です。
ただこのステップ②では、「自分が持っているもの」に注目し、誰と比べてとかではなく、「自分は自分が今持っているもの分だけ幸せなんだ」という事実に注目します。この事実は誰しもに言えることでもあります。
③落ち着いて、「現在」に集中する
ステップ②で
- 「悩み」の時間的切迫(余裕)
- 「自分が持っているもの」
を確認しました。
おそらく日本人の持つ悩みの大抵には時間的余裕があり、
「悩み」のレベルは高次(社会的欲求不満以上)のものがほとんどだから、「自分の持っているもの」からみると、すでにそれなりに幸福だということに気が付くと思います。
自分が今、地球上で奇跡的に平和で満たされた、空前絶後の幸福な環境にいることを、しっかり認識して、落ち着くことが大切です。
そして過去は自分のよって勝手に創造された記憶であり、未来は存在しない妄想です。
現実にあるのは「現在」だけです。
ちょっと怪しい宗教のようにも聞こえますが、実際にそうなのです。もちろん過去を顧みることも未来を想像して今を生きることも大切です。
しかしここでの目的は過去や未来を否定することではなく、現在に集中して落ち着くことです。
日本という豊かな国では、「悩み」の根源はほとんど過去か未来にあり、それについて考えれば考えるほど、辛く苦しいだけだからです。
そもそも「現在」まさに追い詰められている人はこのブログなど読んでいる場合ではないでしょうし。
さて、部屋でコーヒーか紅茶を飲みます。その味と香りと温度を感じます。
好きな音楽をかけます。
部屋をゆっくりと見回します。
不穏なものはあるだろうか?危ない目にあうだろうか?生きていくのに必要なものが足りないだろうか?
僕を苦しめる悩みの種が、いまにも襲ってくるだろうか?
きっとぞんなことはないので、その幸せをしっかり受け止めます。それが現実です。幸福だという現実をしっかりと受け止めます。
部屋でゆっくり暖かいコーヒーを飲めることも、屋根がある部屋で柔らかいソファに座れることも、清潔で破れていない服を着ていることも、冷蔵庫を開ければ食べ物が入っていることも、
決して当たり前ではない奇跡です。
とてつもなく恵まれていることです。
今を快適に生きるための条件が十分に整えられています。
この現実を知ることが、上部の「悩み」を持てるほど恵まれて生まれてきた人の責任でもあります。
落ち着いて、現在を見て、現実を理解して、また落ち着くように。
④再び冷静に「悩み」と向き合う
別に変な思想や宗教に勧誘したいわけではないので、話を実際的な方向に向けます。
とはいえ、人の「悩み」など種々雑多。同じ悩みでも状況や環境、周囲や自分の捉え方などによって解決策は異なるはずなので、具体的な話は一切できません。
ただ僕が強調したいのは、視野が狭くなった状況で、悩みや問題について考えても、良い解決策はでにくし、精神的に自分を追い詰めることになるだけだということです。
だから、まずは冷静になること。落ち着くこと。余裕を持つこと。
これが大切だと思います。精神衛生上。
ステップ①~③は一旦問題から離れて落ち着くためだけのものです。
「悩み」に囚われると、そればかりが気になり、それだけで自分の気持ちも一気にネガティブになります。
そして自分が十分感じているはずの幸福のことを忘れてしまいます。
しかし本当は自分で持っている幸福に裏打ちされた余裕があれば、もう少し健康的な精神状態で、冷静に、より効果的に「悩み」と向き合い、解決していくことができると思います。
⑤ 再び視野が狭くなり始めたら①に戻る
ググーッと頭が狭くなり、脳に酸素が行かなくなる感じがして、視野が狭まっていると気が付いたら、また①~④を繰り返します
僕はそのように幸せ冷静モードを維持しながら、間欠的に「悩み」と向き合うようにしています。
⑥ 苦しい時間を調整するように①~④を繰り返す
悩みのせいで辛く苦しい時間が長すぎるのは本当に良くないと思います。
その辛さや苦しみは、物事と真剣に向き合ったり受け入れたり乗り越えたりするうえで、ある意味必要なものでもありますし、将来の糧になるかもしれません
しかし、悩み苦しむこと自体が問題の解決につながるわけではありません。
ですから、腰を据え解決に向けて悩むのは、頭が冷静なときだけにします。
その「悩み」で頭も心もいっぱいいっぱいになってしまっているときは
①~④を繰り返し、一旦落ち着いて、すでに持っている幸せをかみしめるようにします。
そして、難しいことについては
「僕は問題ない」と余裕を持てるような状況になってからゆっくり考えれば良いと思っています。
⑦解決に到達したら、次の悩みを見つける
そのようにして気持ちをコントロールしながら「悩み」を解消に向かわせることが、僕が実践している悩み解決へのステップです。
たいてい下の3つのような形で、スーっと心が軽くなり、世界の広さを感じることが多いです。
I.「悩み」が自然に解決する
II. 解決策を認める
III. 「今のままで良い」と思えるようになる
しかし上にも書いたとおり、人間は悩みを探す動物です。
ひとつの悩みが解決しても、それよりも時間的余裕があるものや高次の欲求の結びついたものについて、すぐに悩み始めます。
そしてそれは見方を変えれば、成長への渇望でもあります。
”もっと上に、もっと良い人生を。”
このような上昇志向は良いものですが、それに追い詰められる必要なありません。僕たちはもう十分にやっていて、幸せなのですから。
現状に満足することで心に余裕を。
満足できないことを追求することでさらなる成長を。
このような二重思考的なものの捉え方ができてこそ、はじめてポジティブな状態で自己研鑽したり、悩みを解消するための努力ができると思っています。
例:就職活動での悩み
いかがだったでしょうか。
僕はこのステップを実践することで、丸1年以上ポジティブな状態を保って悩みや問題と向き合えています。もともとは数か月おきに物凄く気分が落ち込む時期があるような人だったのですが。
だいぶ抽象的な話が続いたので、最後に「就職活動での悩み」を例にして、改めてステップたちをおさらいすることにします。
ステップ①
就職活動の悩みは自己実現欲求や承認欲求の悩みに部類されると思います。自分がしたいことがわからない、能力が足りない、などの悩みは、言うならばなかなかレベルの高い悩みといえます。
ステップ②
就活での悩みは時間的な余裕があります。短くても数か月ある。今を楽しむ時間を取れば、自分の心が邪魔しない限り楽しむことができます。部屋でのんびりコーヒーを飲んでギターを鳴らしているときに就活の悩みが押し寄せるのであれば、それは自分の心がつくりだしたものです。
就活で悩んでいる場合、「自分が持っているもの」は相当な価値があるものだと思います。最低限のお金も、家も服も食べ物もある。危険が迫っているわけでもないし、精神と肉体に活動の自由がないわけでもない。
ステップ③
自分が置かれている幸福な環境を意識して噛みしめ、感謝します。たとえ就職できなかったからと言って死ぬわけでも路頭に迷うわけでももうチャンスがないわけでもありません。(一言付け加えれば人材業者・学校・資格試験の各社などをビジネスとして就活生の不安を煽ることでお金を出させたり業績をあげたりしているので、心配になる人もいると思います。が、実際は自分が努力をすればどうにでもなると思います。) なんだ、大した問題じゃない、もう結構幸せじゃないかと思って落ち着きます。
ステップ④
落ち着けたら冷静な頭で、何をいつどのようにするべきか考えます。自分がしたいことはなんなのか。何が社会に押し付けられていて、何を見逃していて、人に言われなくでも自分がしたいことは何か、お金が貰えなくても頑張れることは何か、何をするためにどれくらいのお金や時間が欲しいのか、自分は何を提供できるのか、自分は何を学びたいのか、どんな人と仕事がしたいのか。
ステップ⑤
様々な情報を見る中で、追い詰められているような気持ちを感じたら、ステップ①に戻ってまた落ち着きましょう。(危機感が自分を能動的・活動的にさせてくれるような精神衛生上「良い追い込まれ方」のときは、しっかり問題と向き合い続けます。)
ステップ⑥
ネガティブな気持ちに圧倒されないようにうまく心と付き合いながら、活動に励みます。落とされても今日の夕食の味は変わりません。
ステップ⑦
うまくネガティブの落とし穴にハマることなく、就職活動を終えたら、次の悩みへ行きましょう。入社まで何をするか、未経験だけど大丈夫か、新生活の準備はどうしよう、嫌な上司がいる・・・きっとまたすぐに新しい悩みが見つかります。しかし悩むということは解決したいということ、そしてより良い状態になりたいということ。悩んでいる自分=上を目指してる。うん、とてもえらい!
最後に
このような悩みとの向き合い方は「甘い」と「弱い」とかいう人もいると思います。就職活動の悩みの例などは、真剣に就職活動をした方にしたらひどく生ぬるく、そんなので受かるわけがないと思われるかも知れません。
それはそれでとてもすごいことだし、かっこいいと思います。しかし、この記事はそういう方たちのために書いたものではありませんので、ご容赦ください。
「強者」には「弱者」の気持ちは理解できないからです。この記事は弱いあなたに向けて書かれています。弱いあなたはそのままで素敵で、悪いところなど少しもありません。
また、自分が強者になったら弱者だったころの気持ちは忘れがちで、その逆も然りです。
生きているなかで大切なことは、人や価値観によって様々ですが、幸せであることはどんなときでも大切です。
出世をすることもお金を集めることも社会に認められることも、それ自体が目的ではなく、幸せになるための手段に過ぎません。
そして幸せに定義はなく、結局はどのように世界と自分を見るのか。捉え方次第だと思います。
だから、弱くても、甘くてもいいので、少しでも幸せに生きる人が増えるほうが良いのです。
正しいことをいうのは簡単です。正しいことを盾に偉そうにものを語り、他人や自分を否定必要なありません。
正しいことを自分や誰かに伝えたいならば、まずはその人のダメな部分や間違っている部分ごと認めて包み込むことができる優しさがあるのか、確認するのが先です。
これを書いている今僕はニートですし社会的には全く認められていない存在です。一番大切に思っていた人は亡くなりましたし、お金に余裕があるわけでもありません。
他人はいろいろなことを言いますが、家族や友人にはこの上なく恵まれていて、生きる目的もわかっています。努力をする方向も見えていますし、毎日成長を感じています。
それなりに良い大学に通っていた時よりも、それなりに良い会社の内定をもらっていた時よりも、それなりにお金に余裕があった時よりも、今のほうが人生が豊かで幸せです。
それは周囲が変わったからではなく僕の心が変わったからです。
これから仕事を始めていろいろなしがらみが出てくると思いますが、今のような精神状態を維持するにはやはり僕は、今回紹介したようなやり方で、心に余裕を与えてあげると思います。
結局ニートだろうが官僚だろうが、幸せになる難易度は変わらないはずです。
弱っているあなたが、少しでも良い心の状態で、苦しい思いを抱え込みすぎずに、「悩み」と向き合って、歩みを続けていけることを願っています。
この記事がその一助になれば、それは僕の幸せです。