基本動詞の文型を制すものが英語を制します。
基本動詞の一覧はこちら。
今回は基本動詞 let の覚えるべき文型を
必要十分な量にコピっとまとめましたのでどうぞ。
Contents
覚えるべき let の文型と熟語!
<SV> | let | 貸される (Sは賃貸物件など) |
<SV O2 to O1> | let O2 to O1 (SVO1O2の語順は通例ない) | O1をO2に貸す (賃貸など) |
<SVOC> | let O V(原) let O 形容詞 let O 副詞 | OにVさせてやる Oを~な状態にさせてやる Oを~な状態にさせてやる |
句動詞・イディオム | Let’s V let down let by let go of 名詞 | Vしよう 落ち込ませる 通す・見過ごす ~を離す |
letといえば<SVOC>です。
そしてCには十中八九、
V(原)がはいります。
もうこれだけ覚えればletの文型は8割終わりです。
V(原)のところの形容詞や副詞が入ることもたびたびありますが
読み方は同じです。
ではどう読むのか。
<SVOC>の基本どおり
「SのせいでOがCだ」という枠組みは変わらず。
しかしletの意味は「させてやる」なので
Sが積極的に「OがCだ」になるような働きかけをするという意味合いはありません。
あくまで許してやる感じ。
それも「許可を与える」というほど能動的ではなく
「ほっておく」「なすがままにさせておく」という感じ。
散歩中のワンコロが
ぐいぐいと飼い主を引っ張って
「ワイはこっちに行きたいんじゃい!飼い主!こっち!」
と強情にどこかに行きたがる様子を想像してください。
このとき飼い主が
「安全だし周りに人もいないから、まあいいか」と
犬のリードをパッと話したとします。
この飼い主の動作がまさに let です。
文章にするなら、
He let his dog go.
「彼は犬をいかせてやった。(彼は犬を放した。)」
letといえばほとんどここまで書いてきた用法なんですが
住まいや土地の賃貸の文脈では
「貸す」という意味でも使われるので注意。
<SV>
let | 貸される (Sは賃貸物件など) |
<SV>のletは賃貸の文脈でしか使われません。
Sには賃貸物件など、「貸されるもの」が入り
受動態のような訳出になるところが注意点。
This flat lets for 100,000 yen a month.
このアパートの賃料は1か月10万円だ。
(これを書いている僕はリアルに翌月から住む場所が決まっていなくて焦っております…)
<SVO1O2>
let O2 to O1 (SVO1O2の語順は通例ない) | O1をO2に貸す (賃貸など) |
これも「貸す」文脈でのみ。
<SVO1O2>の語順では使わないようなので
<SVO> + to 名詞 と考えてもOKですが
意味からしてどう考えても<SVO1O2>の授与動詞型なので
一応この文型に分類しています。
まあ極めてどうでもいいことだね。
The owner lets her apartment only to families without pets.
このアパートのオーナーは、ペットを飼っていない家族にしか部屋を貸さない。
<SVOC>
let O V(原) let O 形容詞 let O 副詞 | OにVさせてやる Oを~な状態にさせてやる Oを~な状態にさせてやる |
おまたせしました。
真打です。
letを見たらます条件反射で<SVOC>を疑ってもいいくらいです。
そしてCにはV(原)がくる。
<SVOC>のときにCに動詞の原形をとる例はとても少ないので
しっかりと覚えておきましょう。
let, help, makeくらいじゃないかな。
Whisper words of wisdom. Let it be.
知性に満ちた言葉をささくんだ。「ありのままでいい」って。
(ビートルズのヤーツ。訳は僕が独自に。)
Let it go.
それをいかせてやりなさい。
(エルサの心の葛藤やら、隠していた氷の魔力なんかをやれ解放せい。ってこと。つまり「ありのままの姿見せるのよ。」)
She let me cry when I had my heart closed.
心を閉ざしていた時、彼女が僕を泣かせてくれたんだ。
“I really can’t open this bottle. It’s stuck.” “Let me try.”
「マジでこのボトル開かない。固まってるわ。」「ちょい貸してみ。」
(こういうのってなぜか自分でやってみないと納得できないよね。)
句動詞・イディオム
Let’s V let down let by let go of 名詞 | Vしよう 落ち込ませる 通す・見過ごす ~を離す |
Let’s go! 「行こう」
この表現を知らない人はいませんが
Let’s がなんの略か知っている人は少ないでしょう。
I’m が I am
won’t が will not
では let’s は…?
答えは let us です。
つまり Let’s go は
Let us go.
let の<SVOC>で「私たちをいかせてやろう」です。
だから let’s のあとにはV(原)しかこないんです。
let down, let by もそれぞれ間にOを挟んで<SVOC>で使うことが通例ですが
downで「落ち込む」、by「過ぎる」という意味になるときは
なかなか知らないと読めなそうだと思ったので一応イディオムとして取り上げてみました。
let go of 「~を離す」は
letのあとにすぐV(原)である go がきて
さらに普通は go のあとに直接続くことが少ない of がくるということで
いろいろ謎なので
マルっと形で覚えるのが吉だと思います。
let’s = let us
だと書きましたが
実はこの2つには意味に違いがあります。
ズバリ違うのは us の示す範囲。
let’s の場合
この短縮された us は
必ず「この言葉の受け手」が含まれます。
つまり、let’s go は
「一緒に行こうよ」と誘っているわけです。
一方で、let us goの us は
「この言葉の受け手」を含まない「私たち」です。
つまり会話の場には3人以上いて
話し手が、自分ともう一人を指して「私たち」といい
残ったひとりを「あなた」として話しているような状況。
だから let us go の訳は
「私たちをいかせてくれ」です。
完全形と短縮形で意味が異なるという
とても珍しい例なので、覚えておくとドヤれるタイミングがいつかくるでしょう。
嫌われないようにユーモアを交えてドヤってね。
Let’s make a revolution.
革命を起こそう。
Don’t let me down.
僕を失望させないでくれ。
Excuse us. Please let us by.
すみません、私たちを通してください。
(関係ないですが、Excuse me.は、自分たちが複数の時は普通にExcuse us.になります。聞きなれないうちはちょっと変な感じするけど。)
Let go of my hand. I gotta go now. Really.
手を放して。もう行かなくちゃ。いやほんとに。
(let go off でも同じです。)
まとめ
let についてまとめます。
- だいたい<SVOC>
- CにはV(原)がくることが多い
- 意味は「させてやる」
- イメージは走り出したい犬のリードを放してやる感じ
- 賃貸の文脈では「貸す」という意味もある
- そのときの文型は<SV><SVO2 to O1>
- Let’s は実は let us の短縮形(意味違うけど)
いつも勉強お疲れさま。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
おすすめ教材
基本動詞の文型を覚えつつ取り組むと効果的なおすすめの教材をいくつか紹介します。英文解釈系が多いですが、いくつかある定番の文法書の中で間違いなく推奨できるものも載せておきます。
『ビジュアル英文解釈 PART1 PART2』
『富田の英文読解100の原則 上・下』
『英文読解の透視図』
『総合英語Forest 7th Edition』
『英文法・語法 Vintage 3rd Edition』