基本動詞の文型を制すものが英語を制します。
基本動詞の一覧はこちら。
今回は基本動詞 wish の覚えるべき文型を
必要十分な量にコピっとまとめましたのでどうぞ。
Contents
覚えるべき wish の文型と熟語!
<SV> | wish for 名詞 wish on 名詞 | ~を望む ~に願をかける |
<SVO> | wish to V wish that SV(仮定法) | Vをしたいと思う SVならいいのにと思う |
<SVO1O2> | wish O1 O2 wish O1 挨拶 | O1にO2を祈る O1に挨拶を告げる |
<SVOC> | wish O 形容詞 wish O to V wish O Vp.p. | Oが~であることを望む |
wishの意味は「望む」です。
似たような意味を持つ基本動詞には
want と hope があります。
want は本能というか欲望というか、「我」のことを考えて「欲する」感じ。まあそこまで生々しい単語じゃないないけど、わかりやすいように大げさに言えばそんなイメージです。
hope は希望とか望みとか、ちょっとだけ高尚な感じ。そして want と異なり「我」のイメージが薄いです。自分でどうにか手に入れるというよりも、結果手に入ればいいなというような、他力本願的なニュアンスがあります。あくまでニュアンスだけどね。
それぞれに文型などについては過去に記事を書いているので、是非読んでみてください。
一方で wish のイメージは
「容易に手に入らないものを望む・望むべくもないものを望む」です。
要するに「いや、無理でしょ」ってなるけど、それでも欲しいぃ~!ってもの、あるじゃないですか。そういうのに使えるのが wish です。
あるいは「願掛け」「祈り」のイメージ。
I wish you a merry Christmas, I wish you a merry Christmas,
I wish you a merry Christmas and a happy New Year♪
の曲を思い出しましょう。
「良いクリスマスと良い年があなたに訪れますように!」というお祈りなんです。
こういうときに使うのが wish ですね。
だから将来の夢を語るとして、
want で語ったら「なりたいんだな~、頑張るのかな~」
hope で語ったら「なりたいんだな~、でも自力だけでは無理な何かがあるのかな~」
wish で語ったら「もう諦めちゃってるのかな~、無理だと思ってるのかな~」
という感じがします。
まあ、助動詞などと同様で「気持ち」の話をしているこの手の単語の使い方は、かなり話し手に依存します。
客観的に定義された使い方があるわけではないので、want も hope も wish も同じ内容に使えることが多いっていうのが実際のところです。
ただ wish がイチバン現実離れしている「望み」や「願い」を表すということは・・・・?
おそらく仮定法と相性がいいんじゃないかな?
くらいのことは察しがついてもいいんですぞ。
<SV>
wish for 名詞 wish on 名詞 | ~を望む ~に願をかける |
wish for は
自動詞+for で「~を求める」
の形ですね。意味も「~を望む」なのでセオリー通りです。
願掛けで on を使うのは
自動詞+on で「~に頼る・依存する」
を想起すると納得感がありますね。
例は depend on, rely on, count on など。
Though we all wish for eternal peace, we’ve never made it happen.
私たちはみな永遠の平和を望んでいるのに、いまだそれを実現したことはない。
When you see a shooting star, wish on it.
流れ星を見たら願掛けをしてね。
<SVO>
wish to V wish that SV(仮定法) | Vをしたいと思う SVならいいのにと思う |
「望む」は「する方に向かう」意味合いなので
Oに to Vが入るのは問題ないでしょう。
「~ならいいのにと思う」のとき
wishは思考系動詞なので後ろにthat節をとるのも納得ですね?
ただこの that節の中身が仮定法になるというのがポイントです。
つまり
that節の中の動詞の時制は、wishよりもひとつ前
になります。
望むべくもないこと、叶いそうもないことを望むのがwishの意味でした。
だから「今言っていることは事実じゃないよ~」という合図である仮定法を使うのです。
I wish to move to Europe before I become 30.
30になる前にヨーロッパに移住したい。
I wish I had met you earlier.
もっと早く君と出会っていたらよかったのに。
<SVO1O2>
wish O1 O2 wish O1 挨拶 | O1にO2を祈る O1に挨拶を告げる |
<SVO1O2>の意味は「O1にO2を与える」
願いや祈りの気持ちを与えているということです。
O2に挨拶が入るときも理屈は同じ。
というか、英語をはじめほとんどの西洋語のあいさつは「願い」や「祈り」なんです。
good morning → (I wish you a) good morning.
have a good day → (I wish you will) have a good day.
See you. → (I wish to) see you (again).
みたいなイメージ。
日本語の場合は
こんにちは → 今日は(いいお天気ですね?)
さようなら → 左様なら(これにて失礼します?)
おやすみ → お休み(なさい)
など、事実描写や命令が短縮されたものが多いですね。
このへんの違いは文化や宗教観を踏まえて考えると面白いです。
要するに wish が「挨拶をする」という意味になるのは当たり前ということです。
というかむしろ、wishするのが英語の挨拶の基本なのです。
I wish you a safe travel.
あなたの旅のご無事をお祈りします。
He every morning wishes us good night. It’s wierd.
彼は毎朝私たちにおやすみといってくる。変だわ。
<SVOC>
wish O 形容詞 wish O to V wish O Vp.p. | Oが~であることを望む |
こちらもまずは wish が「する方に向かう」意味を持つので
Cに to V が入るということを理解しましょう。
そしてCに形容詞やVp.p.が入るときは
その直前に to be が省略されていると考えるのです。
というか実際 to be を省略せずに言うことの方が多いです。
だから wish が<SVOC>のときはCに入るのは基本 to V だと思ってください。
しかし to be が入るとき、こいつは省力されることがあり、
そのときは見かけ上Cに形容詞や Vp.p.が入っているように見えるのです。
Your mom always wished you (to be) happy.
君のお母さんはいつも君の幸せを祈っていたよ。
She wishes her husband to do more housework.
彼女は夫にもっと家事をやってほしいと思っている。
I wish your wish (to be) realized.
あなたの望みが実現することを願います。
まとめ
wishのまとめです。
- wishは「叶わなそうなことを望む」
- する方に向かう意味なので to Vと相性良し
- that節の中は仮定法
- 英語の挨拶は相手への「願い・祈り」
いつも勉強お疲れさま。
最後まで読んでくれてありがとうございました。