ディランde英文法

【ディランde英文法】It’s a shame【Maggie’s Farm】

英会話で非常によくみられる表現をとりあげます。

しかもこれが shame という言葉について一般的に知られている「恥」という意味で考えていると全然わからないので、ちゃんと知っておく必要があります。

これ、知らないで「恥」という意味で捉えるとムダに傷ついたりしかねないんですよね。笑

とりあげる曲はディラン労働者ソングの代表作『Maggie’s Farm』す。

Contents

「Maggie’s Farm」におけるIt’s a shame

It’s a shame the way she makes me scrub the floor.

「ヤツが俺に床磨きをさせるやりかたったらないぜ。」

仮主語の it の内容が the way節。

the way節は「SVするやり方」という意味で how節 で書き換えられます。

the way節の中身は make のSVOC。

Cには scrub という動詞の原形がきています。

It’s a shame は「残念だ」という意味なので、意訳して上記のような感じになりました。

shame を「恥」という意味だと思っていると意味がとれません。

It’s a shameについての文法的な話

It’s a shameの文法的なポイントと余談をまとめておきます。

  • It’s a shame to V 「Vするとは残念だ」


  • It’s a shame that SV 「SVなのは残念だ」


  • まあ基本的に仮主語の it の内容が shame のあとに続くということ。


  • That’s shame のパターンもある。
    この場合 that は前文(相手が言ったこととか)を受けてることが多い。


  • What a shame. 「残念なこと!」


  • 上記のすべては shame を pity に書き換えた形でもよく使われる

Shame on you ! 「恥を知れ!」

I’m ashamed. 「お恥ずかしい・・・」

こんな表現が知られているので

shame というと「恥」のイメージがあります。

このイメージのせいで

I failed in the exam…
「落第しちゃったよぉ・・・」

Oh, that’s a shame.
 「あら、恥ずかしいことでございやすね。」

なんて勘違いが起きかねません。

これは「え~、残念だったね。。。」と言っているだけなので

決してバカにされているわけではないのです。

その他、歌詞の中の英語について

That are drivin’ me insane

「それが俺の頭を狂わせるんだ」

drive はSVOCで使われることが非常に多いので、「運転する」なんつー訳はいったん忘れて勉強するくらいでちょうどいいです。

he fines you every time you slam the door

「ドアを閉めるたびにあいつに罰金だ。」

fine という単語は I’m fine! で満足していると意外に足元を掬われます。

ここでは動詞で 「罰金を科す」

名詞で「罰金」

形容詞では「純度の高い」「きめ細かい」という意味もあります。

最後に曲を褒める

マギーの農園で働く主人公が

「これ以上ここでは働けねえ!!」と愚痴りまくる曲。

しかも verse ごとにマギーの親族を名指しで口撃していくスタイル

僕が仕事でストレスがたまった時にこの曲の替え歌を作って弾き語っているのはここだけの話。

もちろん Maggie’s Farm を自分の会社名に変えている。うむ。

スカッとする。

Well, I wake in the morning
Fold my hands and pray for rain

「ああ、朝に目覚めたら手を組んで雨を祈るんだ」

こんなの誰しも共感しかないのではないか 笑

僕も学生の頃の部活がきつかったので雨を祈ったりしましたよ・・・。

まあ、雨でも室内ランなんですけど。でも練習は早めの時間に終わるしね、、、うん。

Maggie’s ma を口撃する verse ではこれ。

Everybody says she’s the brains behind pa
She’s sixty-eight, but she says she’s twenty-four

「みんな言ってる、あいつが旦那を動かしてるんだ。
68歳にもなる婆さんなのに、自分では24歳だとほざきやがんだ。」

この嫌味な感じ凄いですよね 笑

こういう労働者の描写、ましてや農場となると、アメリカの西部開拓時代、南北戦争後のシェアクロッパーのようなイメージが湧きます。

タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』のような。
(こちらは南北戦争前の時代設定らしいので完全に奴隷制ですが。)

解放後のシェアクロッパーの労働環境もなかなか改善していかなったそうですが。

最後の verse のこちらの一節は現代の労働環境にも通じるものがある。

Well, I try my best to be just like I am
But everybody wants you to be just like them

「ああ、俺のままであるために精一杯やっているんだが
みんな俺に他のヤツらと同じにしてろって思ってる」

豊かで自由になってしまったせいで、「生きがい」とか「自分らしさ」を探す刑に処せらせている現代人にとっては、なおさら響く節かもしれませんね。

では、みなさんも仕事や勉強に疲れたら替え歌して歌いましょう。

(地味にリズム取るのが難しい。)

買った甲斐があったディランの詩集はこちら↓

ABOUT ME
ささ
25歳。 副業で家庭教師をやっているので教材代わりのまとめや、世界50か国以上旅をしてきて感じたこと・伝えるべきだと思ったこと、ただの持論(空論)、本や映画や音楽の感想記録、自作の詩や小説の公開など。 言葉は無力で強力であることを常に痛感し、それでも言葉を吐いて生きている。 ときどき記事を読んでTwitterから連絡をくれる方がいることをとても嬉しく思っています。何かあればお気軽に。