映画のこと

映画と僕の青春時代。。。

「僕は映画が大好きです。」

この気持ちは本当の本当で
数年前には年に300本以上映画を観たこともありました。

多分人生で見た映画はぜんぶで600本ちょっとくらいかな。

え?1年で300本観た年があったのに
人生では600本だけなの…?

と思うでしょう。

そうなんです。

映画はね
僕の大学生活前半の青春のほとんどを埋め尽くし
僕が世界中を巡る旅に出ると同時に僕のもとを去った
一瞬の煌めきのような情熱だった。

当時は将来は映画の道に進もうとさえ思ったくらい
夢中になっていろいろな映画を観ていました。
映画を学べる大学に入りなおせないかと
調べたこともありました。

しかしその情熱は突然
ハタと消え去ったのです。

多分それはね
僕は映画を観ることで


何者でもない自分を様々な映画にキャラクターに投影していたから。
何も知らない自分が映画を観ることで多くを知った気になれたから。
何も経験していない自分でもドラマを経験することができたから。

そして僕は、映画に支えられて、夢を見て
必死になってお金を貯めて

世界中を旅してまわる冒険に出かけたのです。

旅に出てからというもの

そこでは自分は自分であって、自分でしかなく
自分には自分の名前しかなくて
僕が今まで何をしてどんな人間だったのか
知る人は誰もいないのです。

周囲何千キロもの空間に
僕が知るものは
僕自身と、背中に乗ったバックパックだけ。

何も知らないなりに
世界中で数え切れない人々と関わり、交流し、笑い合い、ケンカした。

多くを知り
同時に何も知らないことを痛感した。

最高の出会いもあったし
他の誰もしたことがないような経験もした。
寂しいときもあったし
本当に怖い経験もした。

異国の地をひとりでさまよってる時でさえ
すべてのものが空虚に思えたときもあった。

でも、そのとき
間違いなく僕は、
自分の人生の主人公でした。

それ以来、
全てを自分で選択し
自分の人生を自分で描き上げていくということが
前よりも上手にできるようになりました。

気が付けば
映画を観ることはなくなっていました。

したいことがたくさんあって
そのために一生懸命勉強しました。

時にまた
自分の人生のハンドルを
どこにも存在しない「世間」の手に
返してしまいそうになったこともありました。

しかし
良い友人や家族の支えと理解もあって
なんとかまた自分の人生を自分で操縦することを思い出しました。

そんな僕に
もう映画という夢物語の別世界は
必要なものではなくなっていました。

あのときの僕の映画への情熱は
単に
自分が本気で向き合おうとしなかった
人生への情熱の吐け口のようなものだったのかも知れません。

以来4年が経ちました。

ああ、本当に多くの場所を訪れました。

本当にたくさんの人と出会いました。

今までになく学びました。

しかしまだまだ足りない。
まだまだしたいことがある。
行きたい場所がある。
会うべき人がいる。

この5年を振り返ると
僕は間違いなく自分の人生という映画の主人公だった。

いろいろな喜劇と悲劇があった。

かねてから詩や文章を書くのが趣味だったので
そのすべてが言葉として残っています。

今は仕事があるので
しばらく冒険に行くつもりはありませんが
脳内はいつもスパークしています。

何が嫌でも、自分で選んだことだから
終わりするときも、次に行くときも、

自分で決めます。

今の生活は
仕事以外のほとんどの時間で
やることが決まっていて

首尾よくいっても自分の目標には
時間が足りないくらいな感じ。
毎日に同じことの繰り返しだけど
着実に成長しているし
こういう時期を長くこなして
ようやく叶うのが
なりたい自分というものです。

となると、
映画を観る時間なんてないでしょ。

って思ってました。
ちょっと前まで。

ただもともと芸術肌ではないくせに
やたらと芸術を愛する性格の僕は

だんたんの実学ばかりの生活にモヤモヤしてきまして。。。

「感じる」という行為が不足しているような。。。

そこで

久しぶりに
聴いていれば時間を忘れるほど好きな音楽とか
人生のうねりを感じるような小説を
生活のなかに再注入することにしました。

その一貫として、
映画も、久しぶりに観ようかなと。

そうしたら、いやはや

映画って面白え、面白ぇ!!

こんなに面白かったっけか…?

数年前に狂ったように観まくっていたときの
映画とはなんだか違う感じで自分の中に入ってくる

今度は主人公としての自分の投影などではなく
他の人間の人生や感情を追体験するような…

だからか知りませんが
こんなに涙もろかったか自分?

と思うくらい泣きまくります。

なんと良い映画が多いことでしょう。

こうしてまた僕の映画ライフが始まるわけです。

まだ24歳。チョー若い。

若いうちに

良い言葉に触れ
良い映画を観て
良い小説を読むことは

絶対に人生で必要なことです。
まだ人生を後半までちゃんと生きたことないけど
これだけは確信して言える。

おかえり、映画よ。

表面の感情は落ち着かせ

胸の奥底から湧き上がる
心は敏感に。

そうして初めて
優しい人間になれるのだ。
今より良い人間になれるのだ。

僕は今日も映画を観て、泣きましょう。

(隙あらば自分語り…だと…?なんて暴言を…!
ここは僕のブログなんだ…!やいやい!)

プライベートでも自分語り多いけどね。すみません。
阿川佐和子さんの「聞く力」読んでますから…。

ABOUT ME
ささ
25歳。 副業で家庭教師をやっているので教材代わりのまとめや、世界50か国以上旅をしてきて感じたこと・伝えるべきだと思ったこと、ただの持論(空論)、本や映画や音楽の感想記録、自作の詩や小説の公開など。 言葉は無力で強力であることを常に痛感し、それでも言葉を吐いて生きている。 ときどき記事を読んでTwitterから連絡をくれる方がいることをとても嬉しく思っています。何かあればお気軽に。