旅のこと

【旅行記】今まで訪れた中で最高の国、アイスランドの思い出

約50か国に訪れた中で、僕が最も感動した国であるアイスランドでの思い出について書きます。

世界中を旅していると、「今まで行った国で一番良かった国はどこ?」と頻繁に聞かれます。

この質問はとても答えるのが難しい。自分が行ったときの季節や天気にもよりますし、食べ物なら~~、街並みなら~~、自然なら~~、遺産なら~~といった感じで、「何についてか」によって質問の答えがばらけるからです。

また、僕が旅で最も重要視している「出会い」によって経験の良し悪しは大きく変わります。しかし、そういう素敵な出会いがある国ではすべて旅行者に起こるというわけでは当然ありません。結局「個人的」過ぎる答えになってしまいます。

質問している側も話を広げるために聞いているだけで、そんなに真剣な答えを求めているわけではないので適当に答えれば良いのだとも思います。

しかし、僕は一応その人が旅行先を考えるようなときに「そういえばあいつがこんなこと言ってたな」と思い出して、それきっかけで行き先について調べるようなことがあっても、自信をもってオススメでできるような国を、この質問に対する固定の答えとして用意しています。(誠実!)

それがアイスランドです。

わずか1週間の滞在でしたが、ちょっと他とは比べにならないくらい強く印象に残るような美しい国でした。これもあくまで個人的な経験には過ぎないのでですが、アイスランドに行けば誰でも同じような体験ができると思ってオススメしています。

アイスランドを訪れたきっかけ

僕がアイスランドへ行きたかった理由は、Sigur Rosmumというバンドです。

どちらもアイスランド出身のバンドなのですが、僕は高校生の時からSigur Rosの『()』というアルバムを繰り返し繰り返し聴いていて、その美しいサウンドから想起されるアイスランドの絶景に酔っていました。

それからかの有名なビョークもアイスランド出身だと知り、アイスランドの音楽について調べていたら次いで見つけたのがmum。

すぐにTSUTAYAに行って借りたアルバム『Yesterday Was Dramatic – Today Is OK』と『Finally We Are No One』もそれぞれ1曲目からノックアウトされてしまい、ひたすらに聴くようになりました。

このころから、僕はアイスランドには妄想にも近い憧れを持つようになり、自分の中の一番行きたい国ランキングでは常に1位でした。

しかし実際に旅に出てヨーロッパに着くと、ヨーロッパの大陸部からも離れたアイスランドはなかなか行けない国のように思えてきました。行くならこんな貧乏バックパック今急いでいくよりも、別の機会にゆっくり多めの予算で来た方が良いのでは…?北欧の国はとても物価が高いと聞いていました。

アイスランドは別の機会にしよう、と一時は決めた僕ですが、旅の道中は中国だろうがインドだろうがところ構わず上記のアルバムを聴いていたので、アイスランドへの憧れは忘れませんでした。

そのときたまたまイングランド北部に留学していた友人がいたので彼を訪ねると、そのあとでスコットランドが割と近いことに気が付いたのでそちらにも足を延ばしました。

地図を眺めると、「あれ、アイスランドにけっこう近いぞ…。」

航空券を調べるとスコットランドのエディンバラからアイスランドのレイキャヴィクに飛び、その次の週の飛行機でロンドンに変えると合計3万円ほどで済むことがわかりました。

それから東京ーレイキャヴィク間の往復便を調べてその値段が目に入った時には「アイスランドに行くべきは今だ」と確信しました。

その次の週には僕は夢のアイスランドに降り立つことになりました。

つのらせた期待が大きすぎてがっかりすることにならないか、なんとなく不安でしたが。

アイスランドをどう巡ろう??

期待しまくって到着したアイスランドですが、ついたのは夜。しかも季節は12月。

しかし、世界最大の暖流であるメキシコ湾流が流れ込んでいるので、緯度と名前のわりに温かいのがアイスランド。モコモコフリースとユニクロのウルトラライトダウンを着れば、そこまで辛いほどの寒さではありませんでした。1・2月の関東地方と同じような肌感覚でした。

夜でもわかったのはその空気の澄み具合。北海道よりも二回りは大きい島にわずか30万人ほどしか住んでいないのですから、自然の美しさがしっかり残っています。

アイスランドの観光スポットは首都のレイキャヴィクから車で数時間以内でいけるゴールデンサークルと呼ばれる一帯と、島は一周するリングロードと呼ばれる国道1号線沿いに集まっています。

氷河の湖や、大きな滝、間欠泉などの有名な観光地もこれに含まれます。

これらを巡るのにうってつけの定番方法がレンタカー。

自由度、利便性などを考慮してもレンタカーの利用が最適解なのは間違いありません。しかし、ひとりで借りてもつまらないし、左ハンドルには慣れていないし、何より高い。絶対に仲間が必要です。

同じ宿にいる人はきっとこれからアイスランドを巡る人か、アイスランドを巡り終わった人のどちらかだと踏んだ僕は、宿に着いてから聞き込みでオススメの巡り方と仲間をみつけようと考えていました。

しかし、実際に着いた宿は大きな部屋に20人ほどを収容し、ベッドごとに隔離がしっかりしていて、キッチンなどのコモンスペースも実際的な作りで、客同士が交流する雰囲気は全くありませんでした。

困った僕はカウチサーフィンのイベント機能を使ってメンバーを集めることにしました。同じタイミングで同じ期間同じようにこの国を巡りたいメンバーが都合よく集まるだろうかと不安でしたが、同じような発案をしている人たちにガンガンメッセージを送って、ようやくひとりのスペイン人女性が見つかり、一旦会って計画を話し合わせてみようということになりました。

その時点で彼女は別の2人と今夜会って計画をたてることになっていたようで、それに僕も混ぜてもらう運びに。次の日にというまた別の人も合わせると総勢5人のメンバーが同じ計画を持っていることがわかりました。

夜にレイキャヴィクの中心となる通り沿いのカフェで集合。スペイン人女性のルットは小柄な美人でハキハキしてクールなハスキーボイスの持ち主でした。ルットが連れてきた2人はオランダとクロアチアのハーフだという姉妹で、お姉さんの方ルビーという落ち着いている優しい感じの女性で、妹はデミーという明るい女性でした。それからもう一人、カナダ人のジェイコブという若い男性が加わって、翌々日から5人で動くということに決まりました。

次の日はおのおのレイキャヴィクを観光しますが、午前中には到着したジェイコブも加わりレンタカー屋さんにいって車を予約。ジェイコブもミュージシャン志望のセンスの良い男性でした。

日程も決まり、車も手配でき、5人も良さそうな仲間が集まって一安心。良い旅になりそうな…

最高の出会いとロードトリップ

いよいよロードトリップの日になりまして、午前9時に集合するも、冬のアイスランドはこの時間でもまだまだ真っ暗。

運転は左ハンドルになれているルットが全面的に担当してくれると申し出てくれました。有効な免許証を持っているのが他には僕しかいなかったので僕が固定で助手席へ。疲れたら代わるよ、とは伝えたものの結局最初から最後まですべてルットが運転してくれました。

移動中は終始みんなでおしゃべり。改めて自己紹介とロードトリップ中の予定について話し終わってからはひたすらワードゲームをやっていました。

移動中も散々盛り上がり、今回巡り合った仲間には本当に恵まれたなあと確信。ジェイコブもSigur Rosが動機でアイスランドに来たというので意気投合。ミュージシャンということで音楽の話も盛り上がり、ロードトリップらしく音楽をかけながらドライブ。

Sigur Rosやmumをアイスランドの景色を見ながら聴くという数年来の夢がかないました。

アイスランドの景色や色は、想像をこえて綺麗で、彼らの音楽との相乗効果で最高に情感深い体験になりました。簡単にいうと、思ってたよりイイ。。。

車がレイキャヴィクを抜けて国道1号線に入ると、いきなり人工物の色は細い道路以外には消え失せ、あたりには荒野が。

そして驚いたことにその黒い荒野はところどころから白い湯気を漂わせていました。アイスランドはヨーロッパ随一の火山島。地熱も豊富です。それにしてもまさか、こうこうと漂いあがる白い蒸気がこうもかっこよく国道を立ち囲っているとは思いませんでした。

それから雄大な滝や黒い浜のビーチなどのスポットを回りましたが、実は本当に感動的な景色はふとした道端に多くありました。

アイスランドは走り続ける限りひたすらに絶景の乱れうちに見舞われます。観光地としては名前の知られていない滝や、丘から流れくだるキンキンに透きとおった小川と地面の裂け目。突然に平地に現れたポニーの群れ(飼い主はどこにいるかわからず、普通に自由に触れ合うことができました)。

そして何より僕が強調したいのがその筆舌に尽くしがたいほど幻想的な空気の色です。

もちろん空気に色はないのですが、そうとしか表現しよう名の澄んだ色味がこの国を包み込んでいるとしか思えないのです、青といえば青、ピンクといえばピンク、灰色といえば灰色、オレンジといえばオレンジというような。

これが包み込んでいればどんな丘も滝も絶景になります。

また、ロードトリップ中には天候が、嵐にような暴風雨やおとぎの国のような静けさと目まぐるしく変化。天候が非常に変わりやすいというのもアイスランドの特徴です。

しかしこれが功を奏して、虹と遭遇できる確率も高いといえます。

僕たちも大きく綺麗な虹が、アイスランドの空気の色にのっかり、荒野や丘の絶景を彩る様子に心を打たれました。

もうここには永遠にでもいられる、とまで感じました。

そしてさらに素晴らしいのは、これはローシーズンの12月上旬に、特に観光地でもない道端に車を止めて見つけた景色だったということで、周りには僕たち以外に誰もおらず、この絶景を存分に独り占めできたということです。

もちろん間欠泉や氷河の湖も素晴らしかったです。間欠泉は10メートルはあろうという高さに水が飛び出るので、自然の不思議にワクワクしました。また、いつそれが起きるかもわからないので、上手に動画を撮るのもなかなか大変で楽しいです。氷河の湖の氷は想像よりも濃い水色で、とても綺麗でした。運よく野生のアシカが泳いでいるのを見ることも出来ました。

それでも、やっぱり強く心に残っているのは観光地として紹介されてはいないような、ふとした路上にある絶景たちですね。こういうところはツアーには組みこまれていないでしょうし、自分が止まってほしいタイミングではなかなか止まってくれないと思うので、やはりレンタカーでの観光を強くお勧めします。

このように観光地以外でもバッチリ楽しんだ僕たちは、5人で木製のロッジを借りて夜を明かすことにしました。

キッチン付きだったのでみんなスーパーで買ったものを調理して夕食。学生の頃の泊りがけの自然教室のような気分でした。夜中には起きて外に出てオーロラが観えないか粘りましたが、予報通り観ることはできませんでした。

オーロラに関しては僕は滞在中に一度も観ることができなかったので少し心残りです。次回はリベンジしたい。

今回のロードトリップは日程上の都合と、いくつかの観光スポットが季節の問題でオープンしていないという情報があったので、リングロードを丸々一周はしませんでした。

しかし、有名どころの観光スポットは楽しめましたし、何より思いもかけないところで数多くの絶景と出会うことができたので大満足でした。

また、ほとんどが自然風景なので入場料がなく、5人で動いたのもあってかなり費用が抑えられました。

アイスランドの物価が高いのは本当で、500mlほどの水のペットボトルが500円したり、観光地ではLaysのポテチが1000円越えだったりと、目ん玉が飛び出るほどの価格です。それでも今回の旅ではそんな高物価な国での滞在とは思えないほど安上がりで満喫できました。

素晴らしい思い出を一緒に作ってくれた4人の旅の友には、本当に感謝です。彼らとのめぐり逢いがなければ、ひとりで空しくバスなどを使い苦労しながら有名観光スポットだけ巡ることしか出来なかったと思います。

アイスランドの魅力

以上が僕の個人的な体験で語ったアイスランドの思い出です。巡り合った旅人たちとの交流ありきのロードトリップだったので、出会いが特別にした旅であったことは間違いありませんが、アイスランドの絶景は、他の誰もでも変わりなく楽しむことができるはずです。

そういう意味で僕は常に「一番良かった国はどこ?」という質問には迷わずアイスランドと答えています。

ではここで僕が体験したものやそうでないものも含めて、アイスランドの魅力をいくつかまとめてみます。

道端の絶景

何度も書いている通り、僕が最も推したい魅力です。これらを観るために、アイスランドにはすべての季節に訪れたいと心から思います。

独特の空気の色

こちらもすでに書いた通り、アイスランドという国を幻想的にしているのはこのなんとも言えず美しい空気の色だと思います。ノルウェーに訪れたときにも似たようなものを感じたので、もしかすると緯度が高い国では共通してみられるものなのかもしれません。

太陽光の入射角とかと関係あるのかな・・・?

地熱と火山と温泉

火山大国アイスランド。マグマと氷で忙しいですね。地熱の蒸気は国道沿いにも普通に見られましたし、温泉も観光地として有名です。自然の巨大温泉を、水着でプールのように楽しむそうです。

アイスランドの火山の噴火がフランス革命の勃発にも影響したということで、なかなかの火山島であることがわかります。エコの意識が高いアイスランドですから、同じく火山島の島国である日本も、地熱発電の運用など、学ぶべき点があるかもしれません。

そういえばこの国では、宿のシャワーから温泉の硫黄の香りがしました。

オーロラ

たぶん世界でもっともで手軽にオーロラを見られるのはアイスランドです。世界で唯一オーロラ観測ができる首都がレイキャヴィクだそうです。

カナダやノルウェーやアラスカだと、オーロラスポットまでの移動が大変だったり、それなりの装備が必要だったりするそうですが、アイスランドでは運が良ければ、空港降りたら見上げたらオーロラ、なんてこともあり得ます。島全体がオーロラベルトにすっぽり入っているということで、これはおおきな魅力です。

白夜

僕は冬のアイスランドにいったので体感できませんでしたが、アイスランドは白夜がある国。

夏なら文字通り一日中明るい中で観光できるそうです。ずっと住むとなると疲れそうですが、数日であれば面白い自然現象ですよね。是非体感してみたいです。

滝や氷河

火山島なので山が多いアイスランド。滝だらけです。また、氷河が見られるというのも素敵ですよね。観光地スポットとしてガイドブックでの紹介なども多いはずです。

音楽

ビョーク、Sigur Ros、mumと世界的に成功しているミュージシャンが3組もいます。というか僕が知らないだけできっと他にもいます。

これだけでもすごいのですが、何よりすごいのがこのような大物アーティストたちがたった人口30万人ほどの中から生まれていることです。

アイスランド語

アイスランド語は他の北欧諸語と同様にゲルマン語系に属する言語ですが、アイスランド人たちは出来るだけアイスランド語に外来語を取り入れず、アイスランド語の保存に尽力しているそうです。

古文日本語と現代日本語、オールドイングリッシュと現代英語を比較すれば明らかなように、通常言語は時間を経るごとに文法的に単純化していきます。それは地理的に大きな広がりを見せる言語では特に顕著です。(代わりにその場合発音規則が複雑化していきますが。英語のように。)

しかしアイスランド語は島国という閉ざされた環境と、国民の母国語保存への意識により、古風な形のままで現存している言語だそうです。

エッダとサーガ

どちらもアイスランドの伝承です。よく北欧神話とか言われるあれですね。

この物語ができた時期は中世にまで遡りますが、上記のようにアイスランド語は長らくほとんど変化していない言語だそうで、現代のアイスランド人はこのような文献を当時のままで読めるというのだからすごい。

このような文学的な面、上記の音楽的な面など、アイスランドには芸術的な素養を育てる文化的土壌があるのかもしれません。

レイキャヴィクの街並み

首都のレイキャヴィクは首都とは思えないほど小さくてかわいい街です。

カラフルな民家も多く、写真の撮り方によってはジオラマに見えるような俯瞰写真が取れます。

アイスランドの難点

ここまでひたすら褒めちぎってきたアイスランドですが、難点もありますので一応まとめておきます。

物価

アホのように高いです。ここまでにも書いた通り、ポテチ1000円。ペットボトルの水500円。コーヒー1杯1000円とか。そういうレベルです。世界一の高物価ともいわれます。

唯一褒めるところは、現地通貨のアイスランド・クローナは、単位的にたいだい日本円と同じなので、あんまり計算しなくも値段感がわかること。

あと、BONUSというスーパーなら何でも結構安く買えます!日本よりちょっと高いくらい。意地悪そうなブタのキャラクターが目印です。

食事

美味しい料理もあるらしいのですが、僕が一度だけ大金をはたいて(4000円)食べた伝統料理はクソまずかったです。発酵させたサメ肉とか、黒いライ麦パンとか。ほんとに何も美味しくなかったです。もっと家庭料理を試したかったなあ。

こちら↓の記事で紹介されているようなものの寄せ集めのようなディッシュでした。

https://guidetoiceland.is/history-culture/the-worlds-most-disgusting-icelandic-food

記事の最後に紹介されているSkyrというヨーグルトみたいなのはめちゃくちゃ美味しかったです。

あと、レイキャヴィクに宇宙一美味しいと有名なホットドッグ屋さんの屋台があるのですが、確かに美味しいけど結構小さいのに400円もしました・・・。

まとめ

この記事を書いている間、久しぶりにアイスランドのことを思い出していてまた行きたい熱が高まってきました…。次は2か月くらい居たいなあ・・・

日本はなんとアイスランドが唯一ワーキングホリデーの協定を結んでいる国でもあります。この空前絶後のチャンス…思い切って行ってしまうのもひとつなのか…??

平均寿命が90歳にもなると言われる人生のなか、1年くらいはアイスランドに住んでみたいというの本当のところです。

レンタカーについては一人旅だと僕のような幸運に恵まれないとなかなか難しいですが、家族や恋人といくのであれば心からお勧めします。

急に決めたアイスランド渡航でしたが、本当に行って良かった。

みなさんも、機会を無理やり作ってでも行く価値のある国だと思いますので、是非ぜひあの絶景を直に感じてきてください。

読んでくれてありがとうございました。

ABOUT ME
ささ
25歳。 副業で家庭教師をやっているので教材代わりのまとめや、世界50か国以上旅をしてきて感じたこと・伝えるべきだと思ったこと、ただの持論(空論)、本や映画や音楽の感想記録、自作の詩や小説の公開など。 言葉は無力で強力であることを常に痛感し、それでも言葉を吐いて生きている。 ときどき記事を読んでTwitterから連絡をくれる方がいることをとても嬉しく思っています。何かあればお気軽に。