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大人こそ文法から学ぶべき5つの理由
理由その① 抽象化の能力が高いから
理由その② 他の言語や物事に取り組むときにも役に立つから
理由その③ 「何故」がわかるから
理由その④ 大人だから ←今回のテーマ!
理由その⑤ 結局本質的な英語学習だから
今回は 理由その④ 「大人だから」(?)について書いていきます。
理由その④ 大人だから
さて、理由その④は 「大人だから」 です。
大人が何故英文法をから学ぶべきかについて書いているのにその理由が「大人だから」というのは、言っていることがてんでおかしいのですが
ここで僕が言いたいのは、「社会的に大人として見られるから」ということです。
つまり大人は大人らしく正しく話すべき。何が正しく何が間違っているのか自分でわかるべき。
そのためにしっかり英文法を学ぶべきだと思います。
日本語でも、若者言葉に慣れた大学生たちは就職活動を前にして正しい敬語表現やメールなどの書き方を学びなおすと思います。
人間は他人を判断するときに、どのように話すかを大きな手掛かりにしているからです。
「外国語なのだからそんなところまではできない。仕方ない。」
そう思っている人もいると思います。もちろん相手や時や場所に応じて常に適切な表現や言い回しを使って話すことは母国語においても難しいです。
しかし、基本的な文法に沿って話すことはそこまで難しくない最低限のレベルです。
どう話すかでその人の人となりや知性を判断すること自体が、良いのか悪いのかについては難しいですが、実際に話し方で人を判断する人は多いです。
なんのために英語を勉強しているのか考えましょう。
仕事に活かすため?
外国人の友達や恋人をつくるため?
ひとりで海外旅行にいくため?
どんな理由にしても語学が現場において特別なのは、必ず相手がいるということです。
そして言語の目的は「話すこと」それ自体ではなく「何かを伝えること」です。
何かを円滑に伝えるために、そして相手と良い関係を築くためには、正しく英語を話すことは絶対に必要なことです。
大人であれば、子どものような無邪気さだけで作れる関係性は限られます。たとえ素晴らしい内容や面白い冗談を話していても、間違った文章のせいで話がスッと相手に入っていかないのはもったいないですよね。
出川イングリッシュは?
日テレの人気番組『世界の果てまでイッテQ!』の人気企画に「出川イングリッシュ」なるものがあります。出川哲朗さんが持ち前の愛嬌と明るさで、拙い英語を駆使して目的を達成しようとするアレです。
僕はこの企画が大好きです。本当に笑い泣くほど面白いし、コミュニケーションはやっぱり心でするものだなあ、と感銘します。極論、言葉など伝わればそれでいいわけで、言葉以外にも表情や行動でもかなりの内容や気持ちが伝えられます。
しかし、その反面、このような英語でのコミュニケーションには限界があるなあとも思います。
出川哲朗さんの英会話への姿勢には学ぶところが多くあるのはもちろんですが、
よく見れば彼が話しかけた通行人の中には露骨に嫌な顔をしている人もいますし、面白がっている人もいます。
海外での浮ついたコミュニケーションであれば、外国人だからという理由だけで相手は優しくしてくれるかもしれません。
しかし実際の人間関係では礼儀を持って話すことは当然ですし、笑わせるのと笑われるのではわけが違います。
出川イングリッシュ方式では、陽気で明るく楽しい人として気に入られることはできるしれませんが(それも出川哲朗という笑いのプロが仕事としてやっていることなので、普通の人では彼のようにはいかないと思います。)、
信頼できる友人やビジネスパーソンパートナーとなるのはまず不可能でしょう。
英語はきちんと話せて当然?
話し方は、信頼に直結します。
その信頼される話し方の最低限が、文法に沿って話すということです。
完璧じゃなくても構いません。間違いがあってもいいんです。
しかし、出来るだけ正しく話そうという姿勢が、英語という言語を共有している人々の仲間に入るうえでは、とても大切なマナーだと思います。
最近では国際化も甚だしいので、国際的にオープンな人々の間では、英語は出来て当然という空気もあります。
第2言語としての英語を巧みに操る人口がこれだけ多いとなると、間違いだらけの英語に対する寛容さはどんどん失われていくと思います。
きっとシンハラ語なら、挨拶や自己紹介ができるだけで、スリランカ人の方々は大喜びで迎えてくれるかもしれません。アイスランド語で買い物がきちんと出来たら、きっとアイスランド人の方々は褒めてくれると思います。たとえそれが間違いだらけでも。
しかし英語はもはやそういう言語ではありません。
ある程度正しく話せて当然と思われることがとても多いのです。
子どもに理解できて大人に理解できない?
英語を正しく話すことを強調しすぎているように聞こえるかも知れませんが、実際のところ基本的な英文法を理解するのはとても簡単です。
真剣に学べば2,3か月から、長くても半年で必要なレベルは学び終わると思います。
あとは使いたい単語や表現を覚えて、理解した英文法の枠に組み込んでいけばよいだけです。
確かに、理解するのと理解したものを使うのは全く別のことなので、それにそって話すにはさらに長い練習が繰り返し必要にはなりますが。
英文法の体系自体は子どもでも理解可能なシンプルさです。英語圏では小学生でも流ちょうに英語を話し、間違った文章があれば気が付きます。
何故間違っているか説明できなくても、ネイティブは間違った文章には「違和感」を覚えます。
それは彼らが英文法を膨大な経験則によって理解しているからです。
よく「ネイティブは文法なんて考えて話してない」と言われますが、彼らは考えるまでもないほど大量の英語に触れているので、経験からこれはおかしいとか自然とかが判断できるのです。これは日本語を含めてどんな言語のネイティブでも同じことです。
ですから、彼らは英文法を知らずに話せているわけではないのです。
そんな小学生でも理解している体系を、大人に理解できないわけがありません。
僕が文法を学ぶことを強調するのは、
その簡単さにしては、ずいぶんと得るものが多いと思うからです。
こんなに簡単に美味しくなるの? それじゃ作ってみよう
そんな感じです。
逆にそんな簡単なことがいつまでもわからずに間違いだらけの英語を話していては、信頼されるようなコミュニケーションをとるのは難しいです。
一端の大人として話すのですから、
話す内容を身があるものにするのはもちろんのこと、
話し方や表現にも間違いは少ないほうが、かっこいいのです。
そもそも英文法なんかやらなくも英語は話せる!とのたまっている連中はひとり残らず文法的に正しく英語を話せちゃってるのですから、言っていることがセコイと思います。
ではいよいよ最後、 次は 理由その⑤ に続きます。